園長日記

(056)今繁殖期最後のヒナが巣立った

豊岡市出石町伊豆地区人工巣塔で営巣していたペアのヒナ1羽(メス)が、8月1日に近くの農道を歩いているのが郷公園の職員によって確認された(写真1)。今回の巣立ちが、今年度最後の巣立ちとなる。

(写真1)今年最後に巣立った伊豆巣塔の幼鳥

写真1 今年最後に巣立った伊豆巣塔の幼鳥

そこで、今年度の繁殖の最終結果をまとめて見ると、表1のようになる。今年度、豊岡盆地から自然状態で巣立ったヒナ数は13羽である。これに養父市と朝来市でソフトリリースした計3羽と、先ごろ野田市がソフトリリースした3羽を含めると、今年は新たに19羽の若鳥が加わったことになり、これで我が国の野外のコウノトリの個体数は87羽になった(8月1日現在)。このうち52羽は但馬地域で生活している。

表1 豊岡盆地での今年の巣立ち数の集計

番号 営巣場所 ペア名 オス メス 雛の初確認日 巣立ち数 備考
1 庄境地区人工巣塔 庄境 J0021 J0012 3/23 2 豊岡市による確認
2 野上地区人工巣塔 野上 J0001 J0362 3/31 1
3 福田地区人工巣塔 福田 J0020 J0010 4/2 2
4 戸島地区人工巣塔 戸島 J0391 J0294 4/2 2 豊岡市による確認
5 赤石地区人工巣塔 赤石 J0426 J0017 4/11 2
6 山本地区人工巣塔 山本 J0011 J0399 4/23 2 巣立ち後2羽とも死亡
7 百合地地区人工巣塔 百合地 J0275 J0228 5/4 5/4,雛1羽確認したがその後不明
8 河谷地区電柱上 河谷 J0025 J0016 5/21 1 5/21親鳥の吐き出し行為により孵化推定,6/28巣内で1羽死亡確認
9 伊豆地区人工巣塔 伊豆 J0381 J0296 5/28 1 5/28親鳥の吐き出し行為により孵化推定

と言うことは逆に言うと、87-52=35羽は、8月1日現在但馬地域外で生活していたことになる。これまでは、オスもメスも若鳥は、遠くまで(ときには外国まで)遠出をするが、繁殖年齢までには豊岡へ戻ってきていた。それが、最近では、繁殖年齢に達しても戻ってこない個体が増えてきた。それが、但馬地域外に居座っている35羽に含まれている。コウノトリの野生復帰は、こうして次の段階へ移行しようとしている。つまり、こうした兵庫県外居座り組に、新たに出て行った若鳥がくっついて、新しい繁殖集団の発端が生まれようとしているのであろう。鳴門の例はまさにその好例であろう。国も、そろそろこうした新しい状況に対応する施策を考えるべき時が来ているのではないだろうか。

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