園長日記

(044)えっちゃん結婚か?

えっ(越)ちゃんは2009年4月22日に野上の巣塔で生まれたので、あと数日で満6歳になる。なぜ「えっちゃん」と呼ばれるかというと、2010年4月1日から長期にわたって福井県越前市に滞在し,その後も頻繁に越前市や若狭町へ飛来していたから、地元の福井県の人たちが親しみをこめてつけた愛称だ。しかし、2013年4月19日に豊岡へ戻ってからは、豊岡盆地に滞在し続けている。

この年2013年には、えっちゃんは満4歳で、J0025と一緒に河谷巣塔に止まったこともあり,結婚が大いに期待されたが、オスの方がまだ満3歳にならない若い個体だったからか、えっちゃんとその後も連れ添い行動はあまり見られなかった。えっちゃんは2014年にはJ0025とは別々に行動して単独で電柱に巣を作り,同時に近くの百合地巣塔へ何度も接近を繰り返していた。

一方、2013年に結婚するかに見えたJ0025は2010年6月21日に百合地巣塔で生まれた。このオスは、今シーズンになって、4歳10カ月となり単独で河谷電柱に造巣を始めたところ,そこへえっちゃんが近づいてペア関係が生まれたようだ。そして交尾も観察されている(写真1)。今シーズは繁殖に成功しなかったとしても、おそらく来年は2羽の間に子供が生まれることが期待される。久々に新しいつがいが豊岡に生まれたわけだ。

これまで私は、日本のコウノトリ個体群の繁殖つがい数が制限されているのは、性成熟したオスの不足であり、次に結婚できるのはJ0025であると予測し続けてきたが、それが当たったと言える。さらに付け加えると、この巣塔は、放鳥個体が繁殖を始めた2006年に、関西電力に依頼して、感電の危険が少なくなるように、鳥が電線部分に止まれないように工夫されている(写真1)。とはいえ、巣が大きくなると巣材がこぼれ落ちて感電の危険性もあるし、この電柱の位置がJ0025が生まれた百合地の巣塔から約600メートルしか離れていなく、相互の干渉が大きすぎることが心配されるので、繁殖期後にはこの電柱巣塔の移動も考えなくてはならないかもしれない。さらに、今シーズンは性成熟(4歳)に達しつがい形成が期待できるオスが2羽存在している。コウノトリの繁殖地を全国展開する上でも、こうした性成熟したオスの不足が依然として大きな問題となっているのだ。

いずれにしても、福井県の皆さまにはおめでとうございますと申し上げたい。

(写真1)J0025♂と交尾するえっちゃん(提供:松田 聡氏)

写真1 J0025♂と交尾するえっちゃん(提供:松田 聡氏)

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